ダンスの練習は、少しずつ、こまめにが基本です。毎日20〜30分のほうが、たまにする長い練習よりも効果があります。毎日が難しいなら、週2〜3回1時間ずつ練習し、ほかの日に15分の復習をするのが、実績のある最初のスケジュールです。ただ、頻度は問題の半分にすぎません。残りの半分は1回のセッションの中で何をするかで、多くの練習メニューがつまずくのはそこです。ほとんどのダンサーは、音楽に合わせて気軽にフリースタイルで踊る練習しかしていません。それだけでは、一番効果の低い練習です。ここでは、どのくらいの頻度で、どのくらいの長さで、何をするか、そして燃え尽きずにどう練習量を増やすかを紹介します。

どのくらいの頻度で練習するか:正直な数字

ダンサーがどんな比べ方をしても、勝つのは継続です。忙しい週でも上達を続けられる最低ラインは、1日およそ30分の集中した練習です。燃え尽きの原因は短いセッションではなく、全部やるか何もやらないかという考え方です。30分を確保するのも難しい時は、忙しい人のダンス練習法がこの練習メニューの最低限版です。クラスに通っているなら、かけ算のルールが当てはまります。クラス1時間につき、家で最低1時間練習しましょう。クラスでは振りを教わり、家での練習でそれを技術に変えます。家での練習を飛ばすのは、まじめにクラスに通っているのに伸び悩む典型的なパターンです。

合計時間が同じなら、長さより頻度が勝ちます。週1回と週2回では、目に見える上達に大きな差が出ます。週に何度も体を動かすと、覚えたことが定着しやすくなるからです。時間、クラス数、月数など、節目ごとの詳しい計算はダンスを覚えるのにどのくらいかかる?で紹介しています。

本気の練習と思える量より小さく始めましょう。動きひとつかふたつ、1日10分、週に新しい動きをひとつほど足していく。そのほうが、2週間で崩れる大きなメニューを始めるよりずっと成果が出ます。長くやることより、毎日やることのほうが大切です。

練習の3段階と、多くの練習が1段階目で止まる理由

練習とは何かを考えるうえで一番役に立つのは、練習を3つの段階に分ける考え方です。

  • 1段階目:シンプルなセッション。 強度は低め。ひとりや友だちと、音楽に合わせてフリースタイルで踊ります。創造性と流れが育つのはここです。一番よくある段階ですが、これだけでは一番効果が低い練習です。
  • 2段階目:集中ドリル。 強度は中くらい。1〜3人で、特定の動きのマッスルメモリーを作ります。退屈ですが、本当の上達はここにあります。ほとんどの練習はこの段階まで届きません。
  • 3段階目:深く集中したトレーニング。 強度は高め。パートナーはいても1人まで。特定の難しい動きをひとつ、徹底的に練習します。1時間ずっと失敗し続けるのは心が折れそうになりますが、一番大きな飛躍はまさにそこから生まれます。

うまくいく週のメニューは、1段階目にとどまらず、段階を混ぜます。ほとんどの日は1段階目に2段階目の練習を加え、週に1回は手ごわい動きに3段階目で意識して取り組みます。

良いセッションの組み立て

1回の練習の中では、気分より組み立てが大事です。何よりも先に来るのがウォームアップです。およそ10分で、その中身の順番にも意味があります(ダンスのウォームアップメニュー)。そのあとの実績あるセッションの形は、3つのブロックでできています。ドリル(ひとつの動きを左右両方でくり返し、質を体に刻む)、トレーニング(音楽*なし*で動きのバリエーションを探る。音楽はタイマーのように急かしてくるからです)、ダンス(ドリルで磨いた質とトレーニングで探ったものを、実際の曲に合わせて組み合わせる)。さらにルールをふたつ加えましょう。

  • 1回のセッションにひとつの具体的な目標を。 セッションの一部にしか関わらなくても構いません。音楽に乗って自由に踊る時間も大切ですが、名前のついた弱点をひとつ狙ったドリルと混ぜましょう。目標のないセッションを続けると、何か月もやみくもに練習して何も残らないことになります。セッションの目標がつながる大きな目標については、続けられるダンスの目標の立て方で紹介しています。
  • 最後はカメラで締める。 撮影して見返す集中した30分の練習は、気が散ったままの5時間のくり返しに勝ります。見返すことで、今日のセッションが次のセッションの計画に変わります。スロー再生、ループ、AIマッチスコアでTikTokやInstagramの振り付けを覚えるダンス練習アプリFYP Danceが練習メニューに入るのは、この締めくくりの部分です。パートをループで練習し、元動画に合わせて録画し、パートごとのスコアで、今週のセッションが本当に数字を動かしたかを記録します。

集中が苦手なら、ポモドーロのやり方を借りましょう。25分のタイマー、ひとつの課題、スマホは遠くに。意志の力は尽きますが、仕組みは尽きません。

休みも練習メニューの一部

自分で頑張るダンサーの多くが驚く発見が3つあります。マッスルメモリーは休んでいる間に定着します。動きを集中してドリルしたあとは、同じことを休まずくり返すより、ひと休みしたほうが身につきます。集中力には限りがあります。意識的な練習は、60〜90分の集中した時間のあとにしっかり休むのが一番効果的です。こうした練習が1日およそ4時間を超えると、効果は大きく落ちます。多ければいいわけではありません。そして、何日かにわたる練習でも、詰め込むより間隔を空けてくり返すほうが効果的です。新しい動きは覚えた時に集中してドリルし、1日後、1週間後、1か月後にもう一度練習しましょう。合計時間は少なく、ずっと忘れにくくなります。

だから、15分の復習の日や本当の休みの日が入った練習メニューも、立派な本気のメニューです。

そのまま使える1週間の例

仕事をしていて、週1回クラスに通うダンサーの場合:

曜日セッション
月25分:弱点ひとつを2段階目でドリル+1回通しを撮影
火15分:クラスで習った振りの復習
水クラス+当日に家で20分復習
木休み(または頭の中で通す)
金25分:1段階目のフリースタイル+2段階目の練習を1ブロック
土45〜60分:難しい動きに3段階目で取り組み、映像を見返す
日休み

中身は自由に入れ替えて構いません。ただ、形は守りましょう。短く、なるべく毎日、すべてのセッションに目標を、週に1回はきつい練習を、そして回復を組み込むことです。練習がすべて家なら、初心者が家でダンスを覚える方法の準備ガイドと組み合わせてください。先生なしで練習しているなら、ひとりでダンスを練習する方法で紹介しているフィードバックの代わりになる方法が、この仕組みのもう半分です。

よくある質問

ダンスは週に何日練習すればいい?

ほぼ毎日少しずつ練習するのが目標ですが、量は小さくしましょう。1日20〜30分のほうが、1〜2回の長いセッションより効果があり、15分の復習の日もちゃんと数に入ります。上達を続けられる現実的な最低ラインは、週2〜3回の1時間のセッションと、その間の短い復習です。クラスに通っているなら、クラス1時間につき家で1時間練習しましょう。その比率のほうが、週に何回という数より大切です。

ダンスの練習は1回どのくらいの長さがいい?

集中して意識的に取り組む練習なら60〜90分で、そのあとはしっかり休みましょう。集中力を使う練習は、1日およそ4時間を超えると効果が大きく落ちます。毎日のセッションのほとんどは、もっとずっと短くて構いません。ひとつの目標を持って25〜30分集中し、最後に1回通しを撮影するほうが、何時間も集中せずにくり返すより効果があります。セッションで一番重要でないのは長さで、一番重要なのは具体的な目標があることです。

ダンスの練習メニューには何を入れるべき?

多くの練習メニューに足りない3つのものです。ひとつ目はセッションの中の組み立て(質を上げるドリル、音楽なしで探るトレーニング、そして曲に合わせて踊る)。ふたつ目は、特定の弱点を集中してドリルする時間を週に最低1回。本当に上達するのはこの段階の練習です。そして3つ目は回復です。休みの日、新しい動きを間隔を空けて練習し直すこと(1日後、1週間後、1か月後)、そしてドリルのあとにマッスルメモリーを定着させるひと休みです。